これもおなじみ、お題を頂いて即興で小噺を作るおあそびです。
「芝浜」「酔っ払い」「財布」のような三題噺も良いかも。 |
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「さっ、関東だきや、はよ食べ」 「これ関東だきか、おとうちゃん、かあさんがつくってくれた関東だきはこんなんちごたで」 「それはそれ、これはこれや、お前もおおきなってんから、 少しは家庭状況いうもんを考えなあかん、我慢して食べ」 「おとうちゃん、あつ揚げ、ないで」 「ある、ようさがせ」 「あっ、これか、えらいうっすいなあ、とうふの部分ないんちゃうん、あつ揚げって呼ぶん、 良心がとがめるわ。あれ.........、こんぶまき見当たらへんで.....」 「さがしたら、ある」 「あっ、もしかしたら...こいつや.....。おとうちゃん、こんぶまき、切るもんちゃうで、 ばらばらになってしもたる、わかめか思たわ。」 「おとうちゃん、ち、ちくわ、ちくわが.....」 「なんや、ふるえな、ちくわの振動がここまで伝わってくるわ」 「う、うすすぎる、うすすぎるわ、プロの腕前やな.....」 「ふたりでなに言うてんの、さめるまえに、はよ、みそしる飲みや。」
「おっ、正月だけに、よろ昆布を巻いたのか?北国屋さんに手伝ってもらったな。」 「そうそう、参った参ったって言いながら巻いてくれたよ。」 「よし、この昆布と鏡餅と・・そこの野菜くずで、おでん作ろうぜ。」 「昆布は大事。前回、だしをとらなかったのが俺の汚点(おでん)だったからな。」 「つまんねえ事言ってねえで、さっさと餅を割りな。」 「あのさあ、おい、あのさあ。」 「なんだい。なんか不満でもあるのか?」 「昆布と餅と野菜、これおでんじゃねえよ。どう見ても雑煮だよ。せめて一品くらい、おでんの具がねえとさあ。」 「うるさい奴だねえ。一月に蝿は、いねえぞ。よし、ヤカンに水入れてお銚子入れておけ。」 「この寒いのに、冷やで飲むのかい?しかも水の入ったヤカンに入れて。」 「これが、カンもどき だ。」
「こんどのお題は『おでん』だとよ。あれっ! おでんだけに俺をダシヌイてもう書き込まれてるぜ。」 「あのねぇ。それっ、そうじさんのパクリだよ。」 「そうだったけっ。おれはそんなハンペンなことはしないぜ。」 「あのねえ。それは、こくーんさんのパクリでしょ。」 「そうだったけ。じゃ名古屋の味噌おでん食べてオワリにしようかな。」 「それも、そうじさんのパクリでしょ。」 「おでんも 昆布という昆布は 巻いたな(おれも 今度という今度は 参ったな)。」
「各地の おでんを食い歩こうって江戸を出て、もう2ヶ月かあ。」 「ここ名古屋の おでんもうまいぞ。壷に入った味噌をつけて食うんだ。」 「どれどれ・・おっうまいじゃねえか!この甘味噌と蒟蒻、卵がまた合うねえ。」 「味噌をつけるのが、みそなんだ。」 「つまんねえこと言うんじゃねえよ。でも、流石に おでんも食い飽きたねえ。」 「安心しな。ここが 尾張 です。」
「今日はこの おでん、洒落を言ってから食うってのを、やってみようじゃねえか。」 「よし。じゃあ、まず俺から。このコンニャクは後にしよう。今夜食う なんてね。いただき!」 「じゃあ・・俺とお前は、小さい頃からいつも一緒にこれ食べてたよな。ちくわの友!」 「やるねえ。その洒落は はんぺんじゃねえ、半端じゃねえ・・どう?」 「苦しいが許してやるよ。じゃあ次いくぞ・・・・・」 ・・・・・・・・・・・・・ 「ふう、食った食った。もう、やめようぜ。」 「そうだな。ネタが 無くなった。」
「おや?今日は珍しく顔を見せないと思って来てみたら、一人でおでん食ってやがらあ。」 「す、すまねえ。具が一人前しか手に入らなかったもんで。今更だけど、お前も食うか?」 「おっ悪いねえ。ふうふう・・・あちち・・・ん〜・・あまり、うまくねえな。」 「だろ?そうなんだよ。外で食うおでんと比べて、何か少し物足らないんだよな。」 「なんだなんだ、鍋の底に昆布をひいてねえじゃねえか。」 「えっ、昆布を入れるの?それで、一味足らないのか?」 「当たり前だ。一人で食おうなんて だしぬくからだ。」 |
「ご隠居、ちょっと相談が」 「なんでえ定吉、青白い顔しゃあがって」 「実は新しくできた魚屋の魚心の娘に恋をしましてね」 「ほ〜う、で、彼女と言葉は交わしたのか」 「はい、おとといはタコ10匹ください。昨日はイカ10匹ください。今日はナマコ10匹ください。」 「それで?」 「ええ、毎度ありって彼女にいわれました。」 「それは単なる売り言葉に買い言葉じゃないか。それにしてもよく食うねえ。」 「全然、恋の病で食欲が無く軟体動物に囲まれて骨抜きになってますわ。」 「恋は盲目っていうが彼女の顔見たさに通ってんだな」 「へえ、それでご隠居、ひとつ魚心の大将に取り繕ってもらえませんか。」 「しょうがないねえ、だめでもともと恨みっこなしだよ。」 「恩に着ます!」 一週間後 「ご隠居、どうでした。あ、どこへ行かれるんですか」 「ああ、定吉かお前も目の付け所がいいねえ」 「いい娘でしょ。それで先様の反応はどうでした?」 「それが・・・」 「だめでしたか!」 「その・・・私も年甲斐も無く惚れっちゃってねえ」 「ホ・レ・タ・って、ご隠居、歳を考えてください、歳を!」 「それが、十年前に死んだ女房に生き写しでねえ」 「それにご隠居その両手の荷物は何ですか」 「あ、これはね気がつけば右手にカニ十杯、左手に海老十匹買ってんだよ。ははは、近所にお裾分けしなけりゃね」 「あ〜あ、相談した相手が悪かったのかそれとも頼んだ俺が悪かったのか・・・」 「定吉、今日からお前さんと私は恋敵。どちらが先に告白するか三日後勝負だ。」 「おう、ご隠居、望む所だ!」 その三日後、魚心の前に二人は呆然と立ち尽くしていた。 「ご隠居、魚屋だけに店を開くのも早かったがたたき売るのも早かったねえ」 「ほんと、逃がした魚は大きかった。」
「おい、おまえら、今時スゴロクなんかしてんのか?」 「おう、熊か。ただのスゴロクじゃねえ。横見てみな。」 「寿司じゃねえかよ。どうしたんだ?」 「魚屋の八公の案さ。停まったマス目に描いてある寿司が食えるんだ。」 「よし5だ!へっへ〜トロだぜ。」 「ありゃりゃ、最後のトロを食われちまった。俺は・・3!1・2・3と、またガリだよう。」 「なんか面白そうだねえ。」 「おう熊、ぼうっと見てねえで茶でも淹れてくれ。それっ!ほら〜6だ!」 「どうしたんだい?」 「これで あがり です。」
「イカにタコ、サザエにアサリか、そっちの箱は?」 「へい、エビにカニが少々」 「なんだい、底もの専門かい、青ものはないの?」 「それが、移動販売なもんで、青は取扱が難しくって」 「ははーん、おめえさんもぐりだな」 「と、とんでもございませんお客さん」 「もしかしたらこの車だって盗難品じゃねえのかい」 「そ、そんなめっそうもない」 「証明できんのか」 「ええ、シャコもございます」
「池田屋が終わったと思ったら、今度は四条の魚屋らしい。」 「そこでまた、京を火事にする打ち合わせするらしいぞ。」 「今回は会津藩だけで始末してやろう。」 「だめだめ、魚屋だろ?新鮮(新撰)じゃなきゃ。」 「新鮮にこだわるなら、刺し身の得意な力士に応援を頼もう。」 「藩の体裁より、まず街が大火にあわないようにすることが大事だろう?」 「それなら、江戸や会津の人間より地元の武士に任せればいい。」 「なんで?」 「京の人間は、干物(火物)は得意だ。」
「もし若旦那」 「おお。一八じゃないか。あたしに何か用かい。」 「へえ。用があるから呼んだので、もし、若旦那。しばらくお会いしない間に随分と、えへっ。ご多忙でごわせんか。拙もこうは見えてもね、町内のCIAなんて異名を取る地獄耳でね。ああたのお噂は、どうもこのお聞きしてますよ。いよっ!この夕立の洗濯物!!」 「なんだい。それは。」 「へへ。水もたれるってことでござんす。知ってますよ。ああたの評判を。ねえ。今業平かヨン様かってね。憎いよ。この色男!!色魔!!太鼓とラッパ!!」 「おい。おい。言い方にも色々あるが太鼓とラッパてな何だい。」 「あはっ!!ドン・ファンでげす。」 「くだらねエ事言うんじゃないよ。さては、おれと魚屋の美イ坊の事を聞いたな。」 「聞いたも聞かねえもごわせんよ。随分隅にもおけやせんね。もうね。これから真ん中にずずいと追いでなさい。」 「いや。それだがねえ。・・・どうも困ったな。」 「何でげす。」 「お前だけに言うんだが、あの美い坊。とんだ食わせ者だよ。どうも年を誤魔化しているようなんだ。俺には十九というんだが、裏の梅公がいうにはあれは俺よりも5つ上だというんだよ。」 「へえ。それは初耳ですな。梅さんはおん年二十四。・・・てことは、実際の年は、二十と九!!・・いや、誠に奇妙。妙.妙。みょ〜う。」 「猫じゃないよ。しかしねえ。どうもそうには見えねんだがね。女って巧く化けるねえ。」 「それにしても、うまくさばを読んでいますねえ。」 「そらそうだ。何せ、魚屋の娘だから。」 |
「旦那、最近朝晩はだいぶ涼しくなってきやしたね。」 「今日は秋分の日だ。これからどんどん涼しくなってゆくぞ。」 「でも、まだまだ暑いすよ。なんとかもっと涼しくならねえすかねえ。」 「ん〜・・・お前のようなカイショ無しには無理だな。」 「そりゃあ、あっしは旦那のように稼ぎも良くねえし、貧乏長屋住まいだし、カミサンも、すれ違った人が振り返って見る意味が旦那のおかみさんとは違うし・・・いいんだ、いいんだ、どうせ俺なんて、ブチブチ・・」 「どうだ?少しは涼しくなったか?」 「えっ?そ、そういやあ、ちょっと。」 「暑さ寒さも ひがみ までだ。」 |
「笑点」。実に長い番組でございます。子供のときからずうっと見てますが、やはりお楽しみは「大喜切」のようですな。 「あ。もうこんな時間か。早よ帰ろ。。」 「まあ。ええがなゆっくりしていき。」 「いや。テレビ見なあかんさかい。」 「お前。テレビやったらうちにもあるがな。せっかく冷えたビールと他所からもろた鯉の洗いあんねやで。」 「あっは。そうか。ほな、帰ンのやめや。まあ。ビールでも飲もかいな。」 「現金な奴ちゃな。・・・ほんで、テレビ見るいうてるが、何見てンねン」 「決まってるやろ。日曜日の夕方言うたら。」 「ああ。ちびまる子か。」 「何でやねん。長寿番組やがな。」 「サザエさんやな。」 「お前、子供の見るマンガやがな。」 「せやけど、おもろいがな。あと「ワンピース」とか。」 「年幾つや。そんなん見てて、お前ンとこのカカに笑われんで。」 「いや。一緒に見てンねん。あと、日曜日は「プリキュア」やな。」 「・・・何や気分悪なってきた。 あのな。日曜日夕方の長寿番組いうたら「笑点」やろが。そんなことも知らんのかいな。」 「偉そうに言いな。「笑点」なら知ってるがな。わいもよう見てるで。」 「そうか。そんなら聞くが大喜切のメンバーで一番おもろいのは誰や。」 「せやなあ。・・あの「イヤンバカン。そこはお尻なのアハ〜ン。」言うてる黄色の奴かな。」 「お前。何か悪いモンでも食うたんか。クニャクニャしやがって。・・・ああキク蔵か。」 「でも、あいつかなりの年やろ。」 「うん。司会のエン楽とウタ丸と、それと今休んでいるコン平。もう孫できてもおかしないで。 「なるほどなあ。コン平が休んで、エン楽が司会してがら寝よるし、キク蔵はだんだんぼけてくるし。」 「いいエな。キク蔵はな、あれはアホやから年関係ないネン。」 「せやけど、ウタ丸は元気やナア。毛がないかわりに。」 「そないな、おかしげな物の言いかたしなや。・・・たしかに元気やナ。隣の紫色のラク太郎にせんど「死んでる」と言われながら。がんばってるで。」 「やはり、ゾンビかな。」 「何言うテンねん。独演会でも長い人情噺に取り組んでいるし。えらいもんや。」 「そら、ウタ丸が調子ええのは当たり前や。」 「何でやねん。」 「ウタ丸は会長(快調)やがな。」 ご退屈さまで。
「おい、笑点メンバーが車にはねられたってさ。」 「むかしは、手を上げて横断歩道を渡ったのになあ。」 「古くから観てる人しかわからないよ。まあ、たいしたこと無かったらしいけどさ。」 「そりゃあ良かった。そうそう、その笑点メンバーが歯医者を始めたみたいだぞ。」 「へ〜、患者を笑わせながらの治療で、痛くないってやつかい?」 「それが、全然患者の話を聞かないし、何言ってるかわからないんだってさ。」 「やっぱり。馬が歯科医(司会)だからだ。」
「夕方から酒ばかり飲んでねえで なぞかけ でもしようぜ。」 「あの、AとかけてBととく、心は?ってやつかい?」 「そうだ。AとBが一見関係なく、なんだ?と思わせてCで落とすんだ。」 「落とさなきゃいけないのかい?」 「悪い例が、鋸(のこぎり)とかけて綱引きととく、心は、どちらも引きます。」 「そのまんまだもんな。綱引きで、引くって言葉出しちゃってるし。なら、いい例は?」 「鋸とかけて、有名ラーメン店ととく。心は、チェーンもあります。」 「チェーン店とチェーンソーをかけたんだな。まあまあってとこかな。最初にCを考えて、ひねったBを後から考えてもいいよな。」 「よし、笑点でも見て勉強しようぜ。おい、チャンネルが違うよ。それは笑点じゃないって。」 「飲みすぎた。寝るよ。山田!座布団もってこい!」 「だめだ。酔っ払って 目の焦点が合ってねえ。」
「まずは二問目、台風被害が心配です、どこどこが心配だわ、と言ってから、ダジャレで返して下さい、早い!キクゾーさん」 「この風で屋根が心配だわ」「やーねー」 「キクちゃん、相変わらずだねぇ、オチがお客さんに読まれてるよ。ハイ ウタマロだん」 「この風で物が飛んできて頭が心配だな」「けがねー」 「ハハハハ、いつもながら笑点はおもしろいな」 「あなた、大丈夫?先週もキクさん同じネタやったわよ、そのときもあなた大笑いして」 「えっ?そうだったか?」 「なるほど、これが長寿の秘訣なのね」 |