これもおなじみ、お題を頂いて即興で小噺を作るおあそびです。
「芝浜」「酔っ払い」「財布」のような三題噺も良いかも。 |
プロデューサー「今度の映画の主役ね、深津絵里を起用しようと思ってたんだがね」 監督 「ああ、彼女はホクロが魅力的ですからね、ピッタリですよ」 プロデューサー「ところが、どうしても都合がつかなくてね、彼女、降りちゃったんだよ」 監督 「おやおや、それは困りましたね」 プロデューサー「だれか代役ができる女優はいないかね?」 女優 「できます。堀越のりです!」 プロデューサー「……」 監督 「あのねぇ、確かに同じ茶蛇さんのお題には違いないけど、大喜利の問題が違うんだよ!」
「深津絵里ってなぁ、お前、魅力的だなぁ。あのホクロがたまんねぇな」 「お前さんがいつもそう言うから、あたしも付けボクロ付けて見ようかと思ってね。ほら! う〜ん、一つじゃ寂しいねぇ…、もう一つほら。こっちの方にも、ほら。もう一つ……、もう一つ……、あっちにも一つ……、ほら、お前さん、どうだい?」 「ギョッ、俺ぁ、桑田投手の顔真似かと思った!」 |
「タバコ屋のエミちゃんねぇ……」 「うん、うん」 「最近、やけに綺麗になったと思わないかい?」 「思うよ、ちょっと前までおかめだったのが、すっかりべっぴんになっちまった。通りかかるやつがみんな振り返ってやがら」 「お前さんもかい!」 「よせやい、怖い顔して。妬きなさんなよ、いい年して」 「どうしたんだろうねぇ?」 「おおかた、誰か惚れた男でもできたんじゃないかって噂だぜ」 「ふぅ〜ん、そうかい。男に惚れると、あんなに綺麗になるのかねぇ。あたしも恋しようかしら」 「だめだ。お前の場合は恋惚れじゃなくて、老いぼれだ!」
「おー、お前、お光やないか、どうないしたんや」 「あー、これは、三蔵さん何か」 「いや、なんか嬉しそうな顔しとるさかいに」 「あー、ある若旦さんに惚れまして、恋してますねん」 「ほう、若旦さんに惚れて、恋してる、赤い顔して、赤昇りやな」 |
「おい安政(やすまさ)」 「なんや、大ちゃんか、どうしたんや」 「あのな、安静やな」
「これ作次郎。明日は歴史の試験やそうやが。あんじょういってんのか。」 「へえ。それがお父っあん。皆目あきまへんねん。」 「そら。何言うてんのじゃ。そなたは、毎日やれゲームじゃ、やれカラオケじゃなどと遊びくさって 、今になってあわてふためいてなさる。どうするのじゃ。」 「へえ。ですからこうやって教科書見て覚えてますねん。」 「いいえな。こんな歴史何ぞは覚え方があって、それさえ旨いこといったらええのじゃ。・・・どこみてんのじゃ。ああ、1840年アヘン戦争か」 「へえ。これはどない覚えたらよろしおすのやろ。」 「かんたんなこっちゃ。いやよ(1840)アヘアヘ、アヘン戦争となあ。」 「ほおら。お父っさん、。えらいおもろいな。こら覚え易いわ。ほたら、生麦事件はどないおぼえますのや。」 「訳のないこっちゃ。薩摩侍英人襲い生麦生米生卵じゃ。」 「ははあ。なら、なら坂本竜馬、薩長同盟をつくるはどまいです。」 「坂本竜馬はグルメなお方、芋と河豚とを食べあわせ。」 「なるほどなあ。なら、井伊直弼の安政の大獄はどない覚えたらよろしおますのやろ。」 「・・・安政の大獄で、多くの志士が拷問を受けて、傷めつけられてな。ついに医者から、もうこれ以上吟味できまへんと苦情が出たのじゃ。で、囚人みんな治療にあたることになりましたのじゃ。」 「はあ。」 「つまりやなあ。絶対安政の大獄じゃ。」 「もし、うだうだ言いなはんな。そんな仁輪伽ありかいな。」 「そうでもしてやらんと覚えられませんじゃろが、さあ、最後の勉強せんかい。」 そして,試験が終わりまして、数日後。 「お父っあん。試験かえってきました。」 「どれどれ。・・・なんじゃあまりできとらんがな。」 「へえ。どうも一夜漬けではあきまへん。」 絶対安静で覚えさせた。安政の大獄はどうかと、父親が解答用紙を見ますと。 「面会謝絶」と書いてありました。 |
おっ。そろそろ昼じゃねーか。飯行こうぜ。 おう。行こ、行こ。で、どこ行く。 そうだな、給料前だし<吉野家の牛丼>なんてどうだい。 いいねえ。安くて美味くて、牛丼だけに うっしっし なんちゃって。 おっ。上手いね。そうだ! 皆で吉野家ネタの駄洒落を言って、上手いやつから抜けて行って、最後に残ったヘタクソが全員に奢るてえーのはどうだい。 よし乗った。給料前だし頑張るで。 OK.じゃあ言い出しっぺの俺からだ。<牛丼をどんどん(丼丼)食べよう>。 なんだそれ。そんなんじゃOKはだせねーな。 よし。じゃあ今度は僕だ。<白菜の漬物はくさい>。 上手いねえ。よし玄さん一抜け。 次は俺だ。<味噌汁美味くてワン(椀)ダフル>。 うん。OKくまさん二抜け。 <ガリを切らしたって。しょうがねえな>てえーのはどうだ。 上手い座布団2枚。文句無く三抜け。 おい!おい!皆上手いじゃねーか。拙いな保留は俺だけかい。 まあ焦るな。まだ大本命の与太郎が残っている。おい与太。最後はおめーだ。 えっ。俺かい。困ったなあ。思いつかない。うーん。<吉野家さんモーしわけない>。 おい!上手いじゃねーか。てえーことは。ありゃありゃ言い出しっぺの八っあんの奢りだ。 えっ!何だよそれ。そんな馬鹿な。金が無いから言い出したのに。皆に奢る破目になるとは。トホホ。吉野家で散在して<金をウシなうとは>これじゃあ<ギュウ(牛)の音もでない・・・。 |
「ちわー ご隠居いるかい?」 「おー誰かと思ったら八っあんかい。まあ、そんな所へ突っ立ってないで中へお入り。」 「ねえご隠居、ご隠居は知らないことが無いってほんとかい。」 「そりゃ少し言い過ぎだが、まあ、お前達が知っててあたしが知らないことは無いな。」 「ふーんそうかい。じゃ聞くけど<天然大仏>って何のことだい?」 「天然大仏ねえー」 「知らねーのかい。大体大仏てーやつは人が作るんだろ。天然な訳がねーや」 「愚者」 「へつ、何かつぶしたかい」 「お前のことだ。まあいい。いいか、大仏と言ってもこれは仏像では無くて魚だ。」 「魚? 魚って銀公が天秤棒にぶら下げて売りに来るあれかい。」 「んまあそんなところだ」 「ご隠居からかっちゃいやだよ。大仏なんて魚聞いたことないぜ。」 「あわてるな愚者」 「またですかい」 「大仏という魚はいない。大は鯛。大きな立派な鯛だから大(ダイ)」 「へーなるほどね。じゃあ仏(ブツ)は?ムツの洒落かい?」 「仏(ブツ)を訓読みしてみな。」 「ブツじゃなくてホトケか」 「そう ホトケ。つまりはホッケだな」 「ふーんでもねご隠居、鯛とホッケを合わしてなにが面白いんで。」 「これはな、大切な人へのおもてなし料理だ。北で捕れるホッケと南で捕れる鯛を同時にお出しする。しかも天然の上物をだ。 「ふーん、接待てえやつか。」 「その通り。どうだお前もこういう接待を受けてみたいだろう。」 「いやー俺はどっちかっていうと、どうせ奢ってくれるなら吉原がいいや。」 「全くお前って奴は だから愚・・・。」 「んーもうたまらねー。急に吉原に行きたくなっちまった。ねえご隠居 行こうよ今から。奢ってよ」 「全くおまえってやつは <天然大仏>のいわれを聞きにきたんじゃなかったのか。」 「ええ最初はそうでしたが、俺はやっぱり<天然観音>がいい。」 |